2/17 ファーストマン
今日はファーストマン見てきました.昨日に引き続き,TOHOシネマズで.
ファーストマンは,アカデミー監督賞を最年少で受賞した,デイミアンチャゼル監督の映画です.
ララランドや,セッションなど素晴らしい作品を作った方です.
僕はどちらの作品も死ぬほど好きだったので,心を躍らせて見に行きました.
ただ,前評判ではあまり良くないと言うことが耳に入っていたので,少し心配でした.
ファーストマンは,ララランドでも主役を務めた,ライアンゴスリングが中心となって話が進んで行きます.
簡単なあらすじを
物語の冒頭で,いきなり当時テストパイロットをしていたニール・アームストロングの幼い娘が病気で亡くなってしまいます.悲しみに暮れているニール.また,パイロットとしての仕事もうまくいかず途方に暮れていました.
NASAが有人宇宙飛行を目的に行なっているジェミニ計画の募集を見つけます.
そして,ジュミニ計画はアポロ計画へと繋がり,月面着陸を目指す,ニールと男たちの挑戦の物語となっています.
本映画の魅力の一つとして,客席を,ロケットの操縦席のようにする観客体感型担っていたことは外せません.
冒頭,テスト飛行シーンから始まりますが,ライアン・ゴズリングの顔とカメラがぶつかる程の接写,サウンド,画面の揺れ(手持ちカメラ)と圧倒的ジェットコースター感覚!!
酔いやすい方は酔い止めを飲んでから行くことをオススメしますwww
もうこの冒頭の迫力シーンからめちゃくちゃ引き込まれました.
その後の普通のシーンでもカメラはとにかく登場人物に寄って,観客と登場人物の視点を限りなく共有させようという意図がバチバチと伝わってきました.
主人公のニールアームストロングは,一切周りの人に感情を表しません.
心を閉ざしたニールの心の奥へ,カメラが観客と一体となってなんとか入り込もうとし,クローズアップが多用されています.
とにかく,顔,顔,顔と行った印象を受けました.
また,もう一つの魅力に,リアリティがあります.
今から60年ほど前に月に行くわけですから,技術も今ほど高くないですし,非常に危険なわけです.
宇宙へ飛び立つシーンでも,ロケットが飛び上がる瞬間から大気圏を突破するまで,ロケット内部の宇宙飛行士の視点から映されます.その時の,爆発音と,機械がきしむ音,内部の揺れなど,本当にリアルで,リアルすぎるんじゃないかと思ってしまうほどでした.
このリアリティという魅力も,先ほど述べた体感型と通ずるものもありますね.
また,さらなる魅力として主人公であるニールアームストロングの奇妙さにあります.相当変なんです.
一番僕が驚いたのは,ニールが月に行く前夜,二人に子供に自分が月に行くことを伝えず,妻にもろくに挨拶をせずに荷造りをするシーンです.
妻に挨拶しなさい,自分が死んだら息子にどう説明するの?と叱られます.
変というか狂気じみていますよね.
この映画はニールが心を閉ざすまでのシーンを丁寧に描いていますから,変だな?と感じなかった人も中にはいるのではないでしょうか?
劇場何度か登場する黒いフェイドアウトのシーン.その度に,ニールは心を閉ざしていくのです.
この狂気じみたという表現で,セッションを思い出しました.
ラスト,ニールが月へと向かうシーンになります.
真っ黒い画面に米粒のような宇宙船が入り込んでいきます.(闇➡︎ニールの心の奥底へと宇宙船が入り込む描写)
一見,開放感を覚えそうな宇宙への出発シーンは,宇宙へ行ってからむしろ閉鎖的になります.宇宙船の中で身動きが取れないニールと観客を共有させるために,閉所恐怖症の方は怖がってしまうほどの閉鎖的な空間を表現していました.
そしてようやく宇宙船は月へと到着するわけですが,
彼は月=「死の世界」に足を踏み入れるわけです.
彼の心にぽっかり空いた穴のように大きな月のクレーターで,あるアイテムを落とすわけです.(何を落とすかは劇場でご覧ください)
ニールはもう一度彼女に会えたわけです.
そして月から帰還するニール.一度月で死んで,もう一度蘇って地球へと戻るのです.
まさに死の映画.奇妙な映画ですよねwww
人類にとっての大きな一歩(人類が月面着陸に成功すること)を,個人にとっても大きな一歩として描いたのです.
最後に,エンディングで字幕を担当したのが宇宙飛行士の毛利衛さんということにも気づき驚きました.やはり普通の通訳さんではわからない宇宙の世界観を翻訳でも表現したったのかもしれませんね.
とまぁここまで感想を書いてきましたが,なんか映画見てるときにあまり細かいことまで考えてなかったですが,感想を書きながら思い返してみると,いろんな感想が湧き出てきました.
映画見終わった瞬間は星3.8くらいでしたが,感想を書いているうちに4.2くらいまで評価があがってしまいましたwww
やっぱりこの監督すごいや.